『神様』川上弘美著
9編から成る短編集です。
表題作の「神様」は主人公の女性が同じアパートに住む熊(動物の熊です。熊さんという苗字の人ではありません)と川原に散歩に行くお話。
天気の良い日にお布団を干したらふかふかになって思わず取り入れたらそのままうたたねしてしまった時のような気持ちになる作品です。
さて一番最後、9編目の「草上の昼食」で二人(正確には一人と一匹ですね)は再び散歩に出かけます。
今度は草原にです。
お弁当を食べながら交わす会話に、こんなやりとりがあります。
熊:このごろ鍼に行ってるんですよ
主人公の女性:効く?
熊:ツボが違うせいでしょうか、期待したよりはどうも
ふむふむ。
犬や猫、牛(お産が軽くなるようにお灸する)や馬(競走馬の怪我の治療)に鍼することはありますし、馬の経穴図(ツボのマップ)はありますから、私が予想するにきっと熊にも鍼は効くのではないかと思われます。
期待したよりも効かなかったのは、その鍼師が下手くそだったか、(人間用の鍼を用いたので)鍼の太さや長さが合わなかったからでしょう。
しかし、熊さんは何の治療で鍼に行っているのでしょうね。
そこが気になる。
- 作者: 川上弘美
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/10
- メディア: 文庫
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