はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

vol.9漢方鍼医会7月例会

午前 第1席
衛気・営気の手法 森本繁太郎先生
あらかじめメーリングリストで質問を募り、それに答える形で進行。森本先生の言葉はいつも深い。簡潔だが深い。臨床に裏打ちされているから、きっぱりしている。自分が何をどう捉え何をしようとしているか?その目的意識がはっきりしていることが重要であるということ。そこに迷いや自信のなさがあっては正しい手法は施せないのだ。

第2席 頭部・頸肩部の治療 二木清文先生
いつもながらの軽妙な語り口で、首藤先生の治療院に見学に行かれたときのお話や、過去の失敗例も披露してくださった。

午後 
取穴実技 心経の要穴
小里方式による実技 午前の講義を踏まえて、森本先生が実際に実技を見ていただいた。
モデル患者:高柳先生
治療者:平地
主訴:肩こり
その他の症状:昨日胃もたれした。やや下痢気味。足が午後になると浮腫む。
腹部:臍周囲に硬さ。左大巨付近に力なさ。全体は硬い。温かい汗あり。
脈:やや沈、遅   右関上 弦  左関上 嗇  左尺中 やや浮
胃・脾の気血が腎に運ばれていない。問題は腎にありとみて腎経を軽擦するも、あまりよくない。森本先生に診ていただくと、「脾虚でしょう」とのこと。脾経を軽擦するとよい。穴は自穴を選択。しかし、いまひとつ。再び森本先生にチェックしていただく。先生が商丘を補うと、右関上の脈が丸くなった。

反省
病症からみても、素直に脾虚でいってよい症例。しかし、なんか考えすぎてしまった。心に「邪念」が多いせいであろう・・・まだまだ人間が出来ていないということが、治療をするとよ〜く分かる。「人間づくり」が死ぬまでにどこまで出来るかなあ・・・
精進あるのみ!