はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

vol.18漢方鍼医会9月 臨床家養成講座

午前 第1席 医療面接 新井康弘先生
「患者さんの罹っている疾病(しっぺい)は何か?」を紐解くのが、かつての「(西洋医学的)問診」の目的だった。「医療面接」は、患者さんに辛い思いをさせている(心理的な要素も含めた)病苦は何か?」を紐解くのが目的である。という定義づけから始まり、基本姿勢(受容、共感など)から、患者さんに治療者を信頼していただくための具体的なテクニック(ミラーリング、バックトラッキングなど)までコンパクトにまとめて講義していただいた。
患者さんの症状に関し、大袈裟なぐらいに共感を示したほうがよい患者さんと、「大丈夫ですよ、治りますよ」とあまり心配させるような表現を慎んだほうがよい患者について、新井先生の臨床経験から、その見極め方のアドバイスもあり、非常に参考になりました。

第2席 頭部・頸肩部の治療その2 二木清文先生
肩関節の痛み(五十肩を除く)、喉の症状、頚部の痛み(いわゆる寝違えを中心に)の治療について、いつもながら、軽妙な語り口の中に活きた臨床のヒント満載の講義。陽虚の喉痛は取れにくい、長期間の声枯れは食道がんの場合もあるので要注意、肩関節痛には、大胸筋の硬縮を起こして疼痛が出現するケースもある、などなど。盛りだくさんでした。

午後
取穴実技 腎経の要穴 指導:二木清文先生
太谿穴は、足関節の底屈の具合でずれてしまうので、まずは足関節を直角にして正しい位置を覚えること。陰谷穴は、膝窩からなぞり、半腱・半膜様筋腱の盛り上がりをさらにもう一つ小さな筋腱の高まりを越えたところの陥凹部に取ること。指標の定め方を明確に、確実に!そうすれば、穴(モデル点)は自ずと導き出せるのだと実感。

小里方式による実技 指導:神岡先生 モデル患者:平地

約1ヶ月前より、食べたい気持ちが起きない、みぞおちの辺りが(特に食事前)重苦しい、その他の症状として、2,3日前より尿量が少ない、慢性的に足の浮腫みなどの症状がありました。
1ヶ月以上食べたいという気持ちが起きないというのは、調子が悪くても食欲だけは落ちない私には異例のことです。
自己治療の参考にしようと、今回はモデル患者に立候補しました。
脾、肝、腎と候補に上がりましたが、腹部や肩上部の緩み、そして脈も、腎を軽擦した後が一番良い変化が出ました。
腎から肺と治療。穴は、軽擦して反応の良かった原穴(土穴)をチョイス。
今回は、じっくり時間をかけて治療までしていただいちゃいました。
私は、割りに軽刺激でよい体質なので、時間が長くてどうかな?と治療が終わってだるくなったりするか様子をみていましたが、そんなことはなく、夜中になってお腹がごろごろと鳴り始めたので、なんだか良さそうです。