はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

vol.19 東京漢方鍼医会 9月例会

下記の赤い文字の文章に誤りがありました。訂正したものを付記しておきます。ちょっとお恥ずかしいですが、戒めのために間違いは削除せずそのままにしてあります。

本日は、午前の講義を欠席し、午後から出席しました。
朝起きたら頭痛がしたので、なんとなーく嫌な予感がし休むことにしました。
たっぷり寝たら、回復です!
さてさて、午後は午前中に出された質問についての返答からスタート。
質問は「腹部の温まりも良いし、呼吸も深く入るようになるなど、治療の手ごたえを感じているが、症状の改善があまり見られない。それはどうしてでしょうか?」というものでした。
うーむ、難しい質問ですねぇ。
何故、所見の改善と症状の軽減がリンクしてこないのかについては、あまり議論されませんでしたが、症例のさらに詳しい検討から証は腎虚陽虚ではないか?ということと、脈だけでなく、病症から病理を推察することが大切とのことでした。

次は、いつもは難経講読をしてくださっている長谷川先生による「素問 調経論篇第62」の解説でした。
四大病型(陽虚外寒、陰虚内熱、陽実外熱、陰実内寒)についてふれられているのは、この調経論篇第62だけであるということ。
加賀谷先生からは「四大病型については安易に語られる傾向があるが、もともとの出所はこの調経論。その辺を踏まえて語るべきである。」と初学者への戒めを一言ピシリといただきました。
四大病型については、治療に結びつけるほどの理解がまだなく、要課題です。

※当ブログをご覧になった先生から、

調経論の四大病型は「陽虚外寒、陰虚内熱、陽盛外熱、陰盛内寒」です。ブログ上の四大病型「陽虚外寒、陰虚内熱、陽実外熱、陰実内寒」は、漢方鍼医会が、より臨床に使いやすいように独自に出したものです。

とのご指摘がありました。

さっそくノートを見返したところ、しっかり「陰盛=実、陽盛=実ではない!」と書いてありました(^_^;)。

長谷川先生や、加賀谷先生が原文の意味を噛み砕いて説明くださるときに、陽虚外寒、陰虚内熱、陽実外熱、陰実内寒という言葉を使われていたので、調経論の中の陽虚外寒、陰虚内熱、陽盛外熱、陰盛内寒という表現のあらわすものとの違いが理解できておらず、混同してしまったようです。

加賀谷先生には、安易に四大病型を語らないようにと注意されていたのに、その意味がちっとも分かっていなかったってことです。
お恥ずかしい・・・

というわけで、文中の調経論の四大病型「陽虚外寒、陰虚内熱、陽実外熱、陰実内寒」とあるのは誤りで、正しくは「陽虚外寒、陰虚内熱、陽盛外熱、陰盛内寒」です。
訂正いたします。


実技では、私の班では長谷川先生にモデル患者になっていただきました。
治療者は橋上先生。
主訴は右喉の痛みと右肩関節痛。
脈は、浮かべて触れるが勢いは下降気味。沈と診る。右寸口が沈。右関上は浮。左関上は肝の脈らしくない。
腹部は中脘あたりに抵抗。臍上に冷えあり。肺の見所にこそげあり。
胃(もしくは胃経?)の熱が喉に波及したとみて、胃の熱をいかにして取るか?を考えて選経、選穴することに。
初めは治療側を左とし、太谿、丘墟を取穴。しかし右寸口の脈が浮いてこない。結果的には患側の右を治療側とし、熱を水穴で取るということで陰谷を取穴。その後、委陽を取穴し、良しとなりました。
右肩関節痛は標治法で硬結を緩めました。

私には胃の熱を腎経で取ること、胆経を用いることの病理がまだ理解できておりませぬ・・・
このあたりはじっくり復習してみようと思います。