はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

 vol.41 腹診を基礎とした太極療法 南 利雄先生

経絡治療の大家も、中医学の老師もよくよく見るとみんな「反応点治療」をやっている!
「お腹という誰がやっても、自分が施術を受けても、その変化の確認が容易な部位を用いての太極療法をマスターすれば、卒業したてのほやほや鍼灸師だって、そこそこ治せるようになるよ」というのが今回の講座のコンセプトである。
なので、参加者は学生さんと卒業したばかりの人が多かった。
会場は何ともフレッシュな雰囲気に包まれ、ある意味新鮮。

基本的なお腹の診方、背中(特に脊椎)の反応の診方、気滞や瘀血、脾虚、腎虚のお腹の特徴を、これ以上ない程分かりやすく解説された後は、時間が許す限り参加者のお腹を南先生が診、参加者に触れさせ、また実際の刺鍼、接触鍼、刺絡(皮膚、井穴)の実技披露と盛りだくさん!
ここまでを午前にこなして、午後からはペアになり、実技。

実を言うと、この日は前日に少々飲み過ぎ&寝不足で体調は最悪だった。
しかし、実技の時間に治療してもらったら元気になってしまった。
心下部の痞え、肩の凝りなどが軽減していた。
ちなみに、私の治療をしてくれた方は、四月から2年生になるという学生さんである。
とっても丁寧に刺鍼してくれた(これは見習いたいほど)ので、それも良かったのだと思うが、やはりこの「腹診を基礎とした太極療法」の再現性の高さのせいだろうと感じた。
私の治療を受けた相手の方も(お名前を聞き忘れてしまった!)治療後の腹部の反応の変化に驚かれていた。

古典的鍼灸の治療スタイルはどうしても脈診を重視しがちだけれど、患者さんの身体がいい方向へ変化したかどうかを測る指標は複数あった方がよい。また、より客観性に優れていればそれに越したことはない。そんなシンプルなメッセージを素直に受け止めたいと思った。