はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

自分の仕事をつくる 西村 佳哲 著

今はなき新宿ルミネ、ABCで購入(しかし、ABCをめぐる顛末はひどいものでしたね。永江明さんが雑誌に事の詳細を書いていたのを読んで知ったのですが・・・)。

あの時、私は大きな壁にぶち当たっていて、何か道標になるような、解決のヒントを与えてくれるような本を無意識に求めていました。

普段立ち寄ることの少ないABC新宿ルミネ店へは長崎出張のためのガイドブックを買うために仕事帰りに(そこしかもう開いていない時間だった)寄ったのでした。
でも、あのワンフロアの構造だったからこそ、この本に出会えたような気がします。
池袋のジュンク堂や渋谷のブックファーストのように(どちらもよく利用しています)超大型店では目的の本があったら必要階にしか行かないですから。

誰に言われたわけではないのに、仕事というのは好きなこと、やりたいことだけしている訳にはいかないもので、たとえ好きなことを仕事にしても、仕事にしてしまったらやりたくないこと、不本意なこともやる必要が出てくるもの・・・そんな風に考えていました。この本を読むまでは。

この本の中にも、著者が講義を受け持つ大学生たちは(「好き」をしごとにする事を)ハナっから諦めていると書かれています。

しかし、この本の中には本当に好きなこと、やりたいことを仕事にし、形にし、ちゃんと収入を得て暮らしている人たちが紹介されており、「好きなことだけして暮らす」事が決して不可能ではないことを示してくれています。

私はどこかで、きれいごとでは済まされない妥協をしていくことが、そうできることが社会人であり大人であることのように思っていた節があり、「えっ、好きなこと、やりたいことだけしていていいの?」と拍子抜けしたことを覚えています。
それから、少しずつ肩の力が抜け始めて「自分の仕事をつくる」という作業に取り組むようになりました。

この本の冒頭に「まっ、こんなもんでいいか・・・」と消費者を馬鹿にした商品が多すぎる。という文章が出てくるのですが、この「まっ、こんなもんでいいか・・・」というフレーズは仕事をしているとついつい言ってしまう、そしてその範囲がなし崩し的に広がってしまう危険を孕んでいるものです。

この本を読んで以来、「まっ、こんなもんでいいか・・・」と言えなくなったしまい、ちょっと面倒くさいと感じることも・・・

しかし、こうして(開業し)自分の仕事づくりの一歩を踏み出すことが出来たのも、この本と出会えたおかげかなあと感じています。



自分の仕事をつくる

自分の仕事をつくる