態度が悪くてすみませんー内なる他者との出会い 内田 樹 著
今週の火曜日、渋谷ブックファーストで購入。久しぶりに買った仕事と関係のない純粋お楽しみ本。内田先生は、この著の中でも「縁(えん、えにし)」について書かれていますが、私にとっては、内田先生が不思議な縁のある存在です。
私は、医学書院の『ケアをひらく』シリーズが好きで(ボリュームの割りに値段も安いし、分かりやすさが魅力)、その中の「死と身体ーコミュニケーションの磁場」も著者のことなどまったく知らずに購入し、読んでいました(このシリーズは、患者さんとの接し方の勉強になります)。
「死と身体ーコミュニケーションの磁場」の中では、内田先生が合気道をされているので武道家としての立場からの発言が多いのですが、私は当時格闘技にはまったく興味がなく、「ふーん」ってなテンションで読み飛ばしていたのですね。
ところが、その後太極拳を習い始めることとなり、身体操作の方法論への興味から古武術関連の本を読むようになったりと、興味の風向きが変化し始めました。
そして、三軸修正法という身体技法の発案者である池上六朗先生に興味を持ち、著書を購入したところ、なんと解説を内田先生が書いてらしたという・・・
ちょっと、説明が長すぎました。
この本は、色々なところに書かれた文章のアンソロジー(池上先生の著の解説文も収録)。
内田先生は、時々むっとするようなことも言うのですが、そこで「どこに?なぜ?私はむっとしたのか?」を考えるのも一興です。
「他者」というのが非常に重要なキーワードで、内田先生と春日武彦先生との共著の帯に「自分探しはもうやめよう!」と書かれていますが(賛成票1票!)、自分の思い通りには決してならない「他者」との交流の中からしか「自分らしさ」なんて見えてこないということをこの著でも(他の著の中でも)仰っています。この点においては(他、ちょっとなあと思う発言もあるけれど)大いに共感するところです。