はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

vol.15「漢方鍼医会夏季学術研修会」

27、28日の2日間、日本青年館で行われた、漢方鍼医会夏季学術研修会に参加しました。
4年前のこの研修会に初めて参加して、接触鍼というものに初めてちゃんと触れ、しかもその時あった腰痛も楽になり、先生方も優しく初学者を迎え入れてくれ、という経緯があって、以来漢方鍼医会で勉強させていただいているのですが・・・
さてさて、4年前と比べ私は成長していたでしょうか?
多分、だいぶ変わったと思う。しかーっし、4年前は「いろいろ勉強になったぞー!」っていう充実感でいっぱいで参加後はやる気120%アップでしたが、今年は「ふぁー、色々たくさん分かっていないなあ・・・」と自己反省モード。
アホな段階では自分が分かっていないということも分かっていないが、少し進歩すると自分がいかに無学であるかが分かってしまう、ということなんでしょうが、辛いです。
今年のテーマは「漢方はり治療の実際〜気血津液論による脉状診・選穴〜」でした。
気の状態、津液の状態、血の状態を問診、体表観察、腹診などから読み取り、それを脈状診とリンクさせ選経そして選穴までつなげていくというもの。
初学のうちは、「気血津液の過不足と五臓の虚が脈に反映される」という視点がだんだんぼやけてきて「この脈だったら証は何か?」ということに心を引きずられてしまいがちです。

実はこのところ、脈を何のために診ているの?ということを自分にあらためて問うていました。
患者さんの身体の状態(何が原因で、どの臓、どの経絡に問題が生じているのか、主訴を引き起こしているような過不足が生じているのは気?津液?血?)を知るために脈を診ているはずなのに、そこのところをすっとばして何経の虚なのか?に心を奪われてはいけないなあと自らを戒め、脈を診れどもなかなか推し量りがたく・・・という状態でした。

しかし、今回参加してみて、尺膚の状態、下腿の状態、お腹の状態、頚肩の緊張などをしっかり診てそこから得られた情報と脈状の整合性を図っていくということのライブな姿を目の当たりにし(モデル患者にもなったので体験もし)、何か変な気負いみたいなものが取れたような気がします。