はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

 vol.43 『杉山眞伝流』中之巻 勉強会 第3回

四月ということで、今月から参加されている方への説明として本勉強会の趣旨の説明からスタート。
大浦先生は「まあ、自分の勉強のために…」とニコニコ顔で切り出された後、少し表情を引き締めてこう仰った。
「『杉山眞伝流』には現在の臨床に役に立つ情報がたくさん詰まっている。それを分かりやすくお伝えしたいと思っています。」と。

「日本鍼灸の特色とはいかなるものか?」という議論は、今まであまりなされてこなかったのが現状であるが、鍼管を用いる(という現象)だけでなく、身体の見立て、鍼の使い方、気を動かすということなど、日本鍼灸の特色をよく伝えているのが杉山眞伝流なのである、と続けられました。

そして、鍼灸を業としていく上で必要なことについても、お話くださいました。

さて、本題。

まず、杉山眞伝流の鍼法の位置づけを初めての参加者へ配慮して説明された。
ベースの18術があり、ヴァリエーションとして25術、八十八重術、十四管術、21術があること。ヴァリエーションとして25術を理解するには18術の具体的な手法を知らないといけないので、そのあたりもさらっと復習してくださった。

・病症について
今回は、腹上痛、臍下痛、食後の腹痛、腹強疼痛、諸気付について。

・二十五術より
今回は、穀提術、気えん術、じん気術について解説と実技。

腹痛で鍼灸院に駆け込んでこられたり、気を失った状態で担ぎ込まれたり往診で呼ばれたりするケースは、現在ではほとんどないと思う。

もし、そんな患者さんが時々来るような鍼灸院であれば、患者さんによっぽど信頼されていると言えるだろう。

逆を言えば、患者さんの信頼がさらに厚くなれば、そんな患者さんを診る機会だって今後出てくるということ。

精進怠るべからずである。