はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

 経絡指圧 治療百話 増永 静人著

池袋、谷口書店で購入。指圧がその場しのぎの慰安に堕することに警鐘を鳴らし、明確な理論を構築する事により治療としての指圧の効用の啓蒙に尽力された増永静人先生の著作。百話と題されていますが収録されているのは58話。
えー、読む人を選ぶ本です。
京都帝国大学の心理学科卒という経歴と、母親(指圧業を営んでいた)の影響からか因縁話が数多く出てきます。子供の病気の理由が母親が愛していないからとか、よく病気になるのは先祖の霊をちゃんと弔ってないからだとか・・・とかですね、出てきます。
私も、因縁話には抵抗があって正直ちょっと引きましたが、でも何回も読み返したくなる不思議な魅力を持つ本です。
今回は、最近(またまた)ブームのマクロビオテックについて考えなおしたく、増永先生が確かマクロビオテックについてこの本の中で触れていたなあと思い出し、久しぶりに読み返しています。増永先生はご自身の説く陰陽論とマクロビオテックの陰陽論に共通の根本を見出そうとし、その作用の違いから食養と漢方は陰、手技・鍼灸は陽であるとしています。この部分は文章は短いですが、大変読み応えのある内容です。
 
「経絡指圧 治療百話」 増永 静人著 発行所:医王会指圧研究所