はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

本棚

今月の本棚 『身体のいいなり』 内澤旬子著

昨年の夏、友人が初期の乳癌であることが分かった*1。さあこれから手術するぞという時、なんとも言えない緊張感が友人の電話の声やメールの文面から感じられて、その張り詰めたものをちょっと「外す」とか「ずらす」といったことが起きたらいいなあと思い「…

『自分を生かす古武術の心得』多田容子著

身体技法の指南書というのは、身体を使える人が書いていることがほとんどで、かつて身体が動かなかった人も当時の記憶は薄れてしまっていたり現在の関心事ではなくなったりして、「動けない人がいかに動けるようになるか?」という初歩の初歩段階における掘り…

 竹内敏晴を読んでいる

感想は書くかもしれないし、書かないかもしれない。 哲学的な内容が無学な私には消化しきれないでいるから。 竹内敏晴の身体観は今まで読んだどんな本より共感でき、その言葉は心へ深く響いてくる。 その体験は心地いいような、苦しいような、複雑な感覚だ。…

 齒はいのち! 笠茂 享久 著

咬合の治療に整体の手法を取り入れている先生が書かれた本。副題は「気持ちよく噛めて身体が楽になる整体入門」である。 私が「整体」という言葉からイメージしたのは、顎關節に対するアプローチだったり、脊椎の歪みを矯正するようなものだったのだけれど、…

嘘がつけないとウツになる! 酒井和夫 著

今日はエイプリルフール。 皆さんはイケてる(相手をちょこっと幸せにしたり、脱力させたりするような)嘘をつけましたか? 嘘つながりということで、こんな本をご紹介します。 良い嘘をつけると副交感神経が優位になってリラックスする?(あくまで?つき)…

ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う 日野晃 押切伸一 著

昨年12月、新宿のジュンク堂書店にて購入。この日はバレエのコンディショニング本を買いに行ったのですが(患者さんでかなり熱心にバレエをされている方がいらっしゃるので)、あらかじめアマゾンで調べて候補に上げていたものが店頭にはなくて「どうしよう…

 歯医者が怖い。 歯の痛みは心の痛み? 大塚ひかり 著

正月に田舎の友人(歯医者)と飲んだ際、話に出てきて面白そうなので借りてきてしまった一冊。 実はまだ全部読んでいなくて、最終章の「昔もあった?!口腔心身症」とあとがきは読んでいない。 しかし、大変面白くみなさんにも紹介したいので書いてしまおう。…

 態度が悪くてすみませんー内なる他者との出会い 内田 樹 著

今週の火曜日、渋谷ブックファーストで購入。久しぶりに買った仕事と関係のない純粋お楽しみ本。内田先生は、この著の中でも「縁(えん、えにし)」について書かれていますが、私にとっては、内田先生が不思議な縁のある存在です。 私は、医学書院の『ケアを…

 漢方小説 中島たい子著

昨年春、渋谷ブックファーストで購入。医学書のフロアに上がる途中、文芸書のフロアのエスカレーター降りてすぐのところに平積みされていて、「漢方」の2文字に釣られ途中下車。ぱらぱらページをめくって、主人公がどうなるのか知りたくなり購入。 あらすじ…

 世界を肯定する哲学 保坂和志 著

奥付を見たら初版だったので、2001年に購入したもの。この本は落ち込むと繰り返し読んでいたのでいつ購入したか忘れてしまってました。気持ちが「自己否定」に傾きかけると「危ないぞ!」と軌道修正しようと、この本を手にしていました。この本が読者に届け…

末梢神経麻痺の評価―電気診断学とリハビリテーション 栢森 良二 著 

池袋ジュンク堂書店で購入。高いです。9000円以上しました。医学書って高いけど、この本はボリュームの割には高いです。でも買ったおいてよかった〜という局面を数回経験しました。もう元は取った感じです。(解剖学の本と合わせて、読むといっそう)障害さ…

 経絡指圧 治療百話 増永 静人著

池袋、谷口書店で購入。指圧がその場しのぎの慰安に堕することに警鐘を鳴らし、明確な理論を構築する事により治療としての指圧の効用の啓蒙に尽力された増永静人先生の著作。百話と題されていますが収録されているのは58話。 えー、読む人を選ぶ本です。 …

 News from Paradise よしもとばなな+パトリス・ジュリアン 著 

大宮駅、エキュート内リブロで購入(変形版でカバーがかけにくかったのに丁寧にカバーをかけて下さった店員さん、ありがとうございました。)。 昨年夏、父の手術のため何度か実家と東京を行ったり来たりしたのだけれど、その何回目かに車内で読むのにちょう…

vol.2「本棚はこちらに移動しました」

思うところあり、本棚を独立させることにしました。http://d.hatena.ne.jp/soundo/追記:2009年8月、本棚は再び古巣のこちらへ戻ってまいりました。

 『神様』川上弘美著

9編から成る短編集です。 表題作の「神様」は主人公の女性が同じアパートに住む熊(動物の熊です。熊さんという苗字の人ではありません)と川原に散歩に行くお話。 天気の良い日にお布団を干したらふかふかになって思わず取り入れたらそのままうたたねして…