はりきゅう日和 

東京 代々木の鍼灸院 SO:UN+DO ひらち鍼灸院の日々雑録

 vol.37 『杉山眞伝流』中之巻 勉強会 第2回

※受講から一ヶ月以上経ってしまいました(^_^;)。
 ノートを見ながら覚えている範囲で書いてみます。

テーマ「中之巻第二」85病症
「中之巻第二」は2代目総検校・三島安一の撰によるもので、九十六術を駆使した85の病症が述べられている。これに対応するのが3代目総検校・島浦和田一の撰による「表之巻第三」。こちらは十八術を用いての治法が述べられている。比べてみるとよいとのこと。

どんな病症に対し、どの穴にどんな手技を用いたら、どんな反応が出たのか

これをイメージして読み進めていくようにと大浦先生。
実際の講義も、臨床の場面に即した説明で(今回のテーマが病症ですので、当然といえば当然なのですが…)古典の講義を聴いている感じがしません。

大浦先生は、常々この巻における病症名の呼称が不自然だと感じていたそうなのですが、実は種本があったことが分かったそうです。
こんな話が聞けるのは、この講座ならではです。

今回は85病症から以下の5つについて取り上げられました。
1.感冒風邪、頭痛身熱
2.悪風
3.悪寒
4.無汗
5.傷寒陰症

1の「感冒風邪、頭痛身熱」を例にとって読み進め方をご紹介。

  • 病症名がどんな症状を表しているか

この場合、傷寒論を念頭において読む必要ありとした上で、風邪を引いて熱が出る人の体力の程度、その時の脈がどうかなどを知っておく。

  • そしてどの穴へ、どんな手技を

なかでも、風府(乱鍼)、風池(屋漏)、期門(随鍼)の使い方の説明が印象的でしたのでピックアップ。
風府、風池の用い方は、4月1日の南先生の講座中の風池穴の用い方に通じているものを感じました。この二つの講座がリンクするなんて、なんか不思議のような当然のような。
鍼灸術ってのはもう伝統は途絶えている」なんて言われているけれど、過去と現在が繋がっているところには繋がっているんだなあ。
期門穴は、呼吸を楽にして、邪が内向してしまわないように、少し中まで入りかけた邪を出して汗を出したり、上半身を緩めるために用いる。
このあたりの説明は気滞などの説明で三焦の疎通の説明としてされることがありますが、「上中下」ではなく「内外」というとらえ方は無学にして考えたことがありませんでした。

手技は「二十五術」より、天運術・天隆術・地升術について解説→実技披露。
※後半の手技解説&実技は、都合により早退しました。

和気あいあいな雰囲気の大浦先生の講座は、古典チックな皮に実際的な餡子がギュッと詰まっています。楽しいけれど、やや消化不良気味…
さてさて、次回は今週末です!